5・15「日本復帰」37年を問う沖縄集会・行動

 

例年の5・15平和行進を含め、「復帰37年」を問う沖縄での政治行動が、日本全国と、韓国反基地闘争など海外からの参加者をも迎えて、多彩な集会、デモと、辺野古、高江での現地行動への参加によって闘われた。

 辺野古では、ヘリ基地反対協事務局長の仲村さんい現状を話していただく。15日に締めきった5400頁を超えるアセス準備書面を上回る5400通以上の意見書が寄せられたこと、来年の名護市長選と県知事選が最大の政治焦点であること等々。キャンプシュワブではクレーン車も見え、兵舎や倉庫の移設工事が始まっていた。「アセスも終わっていないのに実質的な建設工事を進めている」と怒りを隠さない。

 高江では、座り込みに対する防衛局の通行妨害排除の仮処分申請で大勢の弁護士に協力してもらい、運動が広がりを持ち始めていることを説明していただいた。

 515日、県立博物館・美術館にて「アトミックサンシャインの中へin沖縄―日本国憲法第9条下における戦後美術」。憲法9条と戦後美術をテーマにした展示。大浦信行の天皇ヒロヒトをコラージュした作品が沖縄県側から展示を拒否され問題になっている。当日夜に管野稔人さん、知念ウシさん、展示のキュレーター・渡辺真也さんなどによるシンポが開催された。

 18時から、牧志公園で「5・15を問う会」主催の琉球処分130年、沖縄再併合37年、アイヌモシリ併合140年糾弾5・15集会。ウチナンチュが中心に横断幕も掲げ先頭に立つ。高江からアピール。発言の締めは沖日労。デモするころには総勢100人。県庁広場まで行進。

 翌516日、アジアから基地をなくす国際連帯沖縄集会(主催・同実行委)が宜野湾市民会館で行われた。反基地を闘う韓国と沖縄との連帯・相互交流を例年積み上げてきた取り組みで、今年も、韓国から、各地の住民運動や文化運動を取り組む仲間たちが沖縄訪問団を組織し、辺野古や高江などの現場も訪ね交流を深めた。

 集会ではまず、主催者を代表して西尾市郎さんが「沖縄と韓国、新たな米軍基地をつくらせない闘いは、国境による分断との闘いだ」とあいさつ。沖縄からは、知花昌一さんが三線演奏を披露、安次富浩さん、金城実さん、崎原盛秀さんがあいさつ。崎原さんは、「米軍支配の27年、返還後の37年、沖縄はどのように苦しめられ、抵抗してきたか」を問い直し、沖縄の大衆運動のあり方を今こそ検証し、再生させることが求められていると説いた。

 韓国側のアピールでは、ピョンテク(平澤)の米軍基地関連の事件・事故、騒音訴訟、グンサン(群山)米軍基地での基地被害、ムゴンリ(武建里)訓練場の拡張問題、120日に起きたヨンサン(龍山)撤去民の惨死(米軍基地返還後の都市計画の不備に異議を申し立て、立ち退きを拒否してきた住民達を強制撤去・排除で住民5人死亡)の真相究明の闘い、チェジユ(済州)海軍基地建設と海の自然を守る闘い、運動と文化活動の結びつきについて、などの取り組みが報告された。また、今回来沖を予定していたが都合で断念せざるを得なかったムン・ジュンヒョン神父は、ビデオで、「米軍の再編を韓国―沖縄の連帯で阻止しよう」と訴えた。そして、海勢渡豊さんの歌で集会を終えた。

 同日、浦添社会福祉センターで18時半から、「琉球処分130年アイヌモシリ併合140年『復帰』37年を問う沖縄集会」が開催された。会場はほぼ満杯で約200人、半数以上が地元参加者の印象。まよなかしんやさんが主催者挨拶と演奏。10年前からキャンプキンザーのデモと集会で5・15行動をやってきて今回で11回目になることなどを述べる。中里効さんの基調レポートは「日本国のチビウーヤーはやめ主体を再創造し、新しいドュシを探そう」のタイトルで、結論では「新しい友と新たなる政治的共同性へ」と踏み込んだ内容。発言は金城実さん、辺野古から安次富浩さん、高江から佐久間さn、泡瀬干潟の小橋川さん、先住民族の会の渡名喜守太さん、ピリカ実行委の河村さん、最後にアイヌレブルズの若い3人が登場し民族舞踊や楽器演奏を披露すると場内は最高潮。閉会挨拶は一坪浦添ブロックの黒島善市さん。最後に海勢渡豊さんのミニコンサートと盛りだくさんの集会になった。

 517日:宜野湾海浜公園の「5・15平和行進」を集約する県民大会。集会は3500人が参加。

 524日:「琉球処分130年を問うシンポジウム・大激論会」(「薩摩の琉球支配から400年・日本国の琉球処分130年を問う会」主催)。会場は那覇市民会館、参加者は200人超。ほとんどが地元参加者で、関心の高さを感じた。今年1月に結成された「問う会」は、329日に「薩摩侵略400年を問うシンポジウムと大激論会」を開催しており、当日の企画はこれを引き継ぐ内容。今後、国連先住民決議をテーマとするシンポも予定されている。関連したシンポが、奄美などでも開催され、さらに先島においても準備されるなど、琉球弧全体を巻き込む議論がはじまっていることが注目される。

 当日の基調講演は、金城正篤さん「琉球処分を考える」。パネラー報告は福地曠昭さん「大衆運動と琉球処分」、宮城弘岩さん「400年の経済支配を問う」、平良勝保さん「琉球処分と先島」、後田多敦さん「(琉球併合)を救国運動から考える」。司会の川満信一さんを含めて、活発な討論が行われた。 

 

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