プロレタリアの団結を!     

                           5・2―3メーデー闘われる

 

全都野宿者メーデー250人が新宿デモ

自由と生存のメーデー800人が渋谷デモ

 

 52日、「野宿者・失業者・持たざる者は団結する! 5・2メーデー」が、東京新宿の柏木公園で、250名が参加して勝ち取られた。東京で初めての野宿者メーデーは1995年。以来、「屋根と仕事をよこせ」「排除するな」と、全都の野宿者が声を上げ、行動する場として例年のメーデーが取り組まれてきた。今年は日雇・野宿者運動の地平をふまえ野宿者・失業者・持たざる者が連帯して、この状況に風穴を開けて闘おうと、飛躍にむけてのメッセージを打ち出した。

 集会には、山谷、上野、隅田川、渋谷、新宿、池袋、中野、三鷹、三多摩など全都各地から結集した野宿者をはじめ、初めて参加した支援者も目立った。集会に先立ってこの日のために完成した「労働者手帳」(対都行動を闘う全都野宿者実行委員会編)が皆に配られた。労働者としての権利から生活保護の取り方まで、野宿者、失業者、不安定就労の仲間は誰でも利用できるものだ。

 集会の冒頭は、今年の「メーデー宣言」が読み上げられ、各地の仲間の連帯アピール。西部圏からは、渋谷ののじれんが発言、新宿や池袋の仲間、三鷹夜まわりの仲間も続く。渋谷では、来る5月5、6日に、宮下公園で連続して共同炊事、労働・生活相談を取り組むとアピールした。

 東部圏からは、山谷、隅田川、上野の仲間が発言。生活保護集団申請やダンボール手帳の獲得の闘いも報告された。さらに三多摩野宿者人権ネットワーク・立川から生保獲得の闘いを報告。

 連帯アピールに移り、自由と生存のメーデー実行委員会を代表してフリーター全般労組の仲間、争議団連絡会議、全日本建設運輸連帯労組、外国人労働者支援のAPFS労働組合、聖公会・渋谷給食グループ、三多摩自由労組、住まいの貧困に取り組むネットワーク、さらに、デモ終了後の集会で、埼玉派遣村を担ったホットポットの仲間、三多摩共同の取り組みとして成功した府中派遣村の仲間。初めてのアピールも多く、派遣村や反貧困の取り組み、地域住民による炊き出し排斥の動き(浅草橋聖ヨハネ教会)を許さない闘いなどを通じて、新たな連帯・共闘のつながりが創られつつある。

 デモ行進は今年は、沿道の人たちに積極的にアピールしようと、繁華街を1周して公園に戻るコースに。夏のような汗ばむ陽気に、元気よくシュプレヒコールを響かせ、手づくりのプラカードと、賑やかな鳴り物などで、気迫あふれるデモを貫徹した。

 解散後、渋谷のウイメンズプラザで行われた自由と生存のメーデー実行委主催によるイベント(シンポジウムやワークショップ)にも参加した。

 翌日53日は、自由と生存のメーデーが宮下公園で行われ約800名の参加者で賑わった。

 簡単なアピールのあと、デモに出発。この取り組みではおなじみのサウンドカーを先頭に、鳴り物、演奏、パペットなど、創意あふれるエネルギッシュなデモで、沿道から飛び入りの若者も。デモの最後尾は、「持たざる者」の国際連帯行動実行委員会、山谷や渋谷など野宿者の隊列だ。パレスチナやNOVOXの旗、「持たざる者」の「貧者に対する攻撃許すな」の横断幕が沿道の注目を浴びる。デモが原宿から渋谷の繁華街へ、さらにセンター街飲食街という、人が密集するエリアでアピール。警察の不当な規制には抗議の意志をたたきつけ、右翼の挑発をはねのけて活気に満ちたデモは、公園に到着したあとも、野外交流パーティーで盛り上がった。

 自由と生存のメーデーは、東京に限らず、昨年以降は全国各地に広がっている。「全世界のプロレタリア団結せよ」と全世界で、日本でも1920年代から弾圧に屈せずに闘い抜かれたメーデーは、ここ数十年は、連合に代表されるように「闘わない労働者の祭典」として形骸化の道を辿った。

 しかし、5・2メーデーの横断幕にも大書された「野宿者・失業者・持たざる者は団結する」スローガンこそ、メーデーの原点と意義を表現している。社会的排除を許さず、公正・平等・連帯の労働運動を大胆に構築しよう。

 

9条改憲許すな 御堂筋デモ

5・3共同行動(関西)に260名結集

岩田吾郎

 

御堂筋を埋め尽くすデモ」を掲げ、9条改憲を許さない!5・3共同行動

 

 憲法記念日、3年目になる5・3共同行動は260名が結集し、熱気ある集会と御堂筋デモが勝ち取られた。

 集会は、急逝された集会呼びかけ人の一人でもある、川村賢市さん(全日建連帯労組副委員長)を偲んで黙祷を捧げて開始された。冒頭、主催者代表の新開純也さん(9条改憲阻止の会・関西)からこの3年間の動きと闘いを振り返りつつ、潮目の変化、世界恐慌の発生等に際して、@6・14東京、1012大阪、1018京都集会の共同行動A総選挙に対する改憲に反対する政党、個人への労働運動の再生が提起された。

 「東アジア・『在日』・沖縄から学ぶ平和憲法の創造・・・」と題した丹羽雅雄さん(弁護士)は、自民党の改憲攻撃が、「国柄(国体)」の強調から、新憲法の制定であり、人民の憲法制定権の剥奪であり、クーデターだと断じられた。工藤美彌子さん(浄土真宗東本願寺僧侶)の歌「同志は倒れぬ」等に続いた。

 休憩後、服部良一さん(参議院議員・山内徳信秘書)の国会報告がなされた。現場からの報告は、松下プラズマディスプレイ偽装請負原告非正規労働者の吉岡力さん、「君が代」不起立処分門真市立第三中学校の教育労働者川口清吾さん、戸田ひさよしさん(連帯労組近畿地方本部執行委員長)からなされた。最後に、中尾宏さん(1018反戦共同行動きょうと)から9条改憲阻止の街頭に出る、新たな共同行動の拡大が訴えられ、「インターナショナル」を斉唱して終了した。デモは途中からの参加者もあって御堂筋に「9条改憲阻止」のシュプレヒコールが轟いた。「労働者派遣法を撤廃せよ」「食べられる給料をよこせ」等を掲げ、窮迫する「失業」労働者の闘いとの結合、パレスチナ解放等の労働者・人民との国際連帯等の課題も焦眉の課題である。2007年に開始された5・3共同行動は大阪で「一つの闘争陣形」を生み出した。「9条の会」集会(京都5000名、大阪1200名)等の「9条改憲阻止」の機運と運動と連携し、「街頭行動」で9条改憲阻止の闘いを創りだした。本年は、多様な団体・個人の自発的参加が目立った。又「排除と対立」を繰り返した政治的大衆闘争に対して「新たな共同行動」を模索するものだ。

 

1018反戦・反貧困・反差別京都共同行動

―関西の新たな共同行動の模索

 

関西から登場した新たな共同行動・政治闘争の特徴は、「政治」を従来の政治団体・労働組合・市民団体の「共闘」一般ではなく、労働者・学生・市民の、まず個人としての自発的・自主的な「政治決起」を第一義的に模索したものである。様々な社会運動、文化運動にも裾野を拡大して新たに「政治」を問い、政治決起を促すものだ。

 同時に現在の政治闘争の基礎として、反貧困・反失業・反差別等の「社会運動ユニオニズム」による労働組合運動の再建を模索するものだ。非正規労働者等を中心としたラディカルな労働組合の再生と共に、現代の労働運動は、自主管理・産業政策協議会・労働者「事業」・NPO等の領域を、資本主義に対抗する運動―「陣形戦」として展開している。そして、再び政治闘争との結合の条件を生み出しつつある。

 さらには、大衆的政治闘争・全人民的政治闘争の再生は、現代革命に於ける「統一戦線」戦術の再考を不可避のものとして問うている。今日の共同行動は、日本共産党、社民党、新社会党等の議会政党も含まれるものとして形成されつつある。ただし、歴史的にはスターリン主義者や社会民主主義者が行って来た事を想起すれば、「新しい左翼の極」の形成が不可欠である。「新左翼」党派であれ、政治党派の再編成は不可避である。共産同・革共同を中心に形成されて来た新左翼は、再び、歴史的な再生が問われ始めている。

 求められている事は、「新しい左翼の極」形成に向けて、旧来の政治党派、分派の系譜に囚われない「政治思想的論戦」を行う場の創出である。KCM(関西共産主義運動シンポジウム)は、関西の地でこの任務を果たして行くであろう。

 

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